2022年2月26日土曜日

山根収銅所


第四通洞から排出された約3トンの坑水がここに流れてくると、交互になだらかな傾斜をつけた鉄のクズを入れた槽とスギの葉を入れた槽を通り、銅イオン水(有毒)を鉄イオンに置き換え、銅を回収するとともに石灰で中和して水を無害化処理していた。その水は再び鉱山鉄道の坑水路を通り、星越の選鉱所で水質チェックした後、海に放流されていた。なお現在も水質管理の目的で稼動しており、その様子は内宮神社の石段の途中から見られる。

愛媛県新居浜市山根町 明治38(1905)年

2022年2月19日土曜日

渓泉亭

 

渓谷美で名高い面河渓に、洋館風の高級旅館・渓泉亭が残っている。宿泊用の客室には欅や桧など面河渓に自生する樹木名が付けられ、各部屋の扉や柱、調度品などはすべて部屋名の材が使われていた。昭和45年ごろから交通網の整備が進むと、面河渓には県内外から観光客が押しよせ、特に紅葉の時期には自動車の渋滞ができた。しかし次第に旅行形態が日帰りへと移行すると宿泊客が減少、平成13年に営業を終了した。今はそのホテルの横に食事や休憩ができる面河茶屋があり、不定期でホテルの内部見学会も行われているようだ。

愛媛県上浮穴郡久万高原町若山 昭和5(1930)年


2022年2月12日土曜日

宇和島駅の扇形機関庫と転車台



扇形機関庫とは転車台を中心として構築された扇形の格納庫のことで、昔の蒸気機関車は前後があったため、進行方向を変えるときに機関車の向きを変える必要があった。そのため多くの駅に転車台があった。
扇形機関庫は機関車の整備や点検をする際に、分岐器の数や設置面積を大幅に節約できるため、多くの機関区で用いられた。鉄骨部には古レールが再利用されている。最近このスペースはギャラリーやイベントに使われている。なお扇形庫と転車台がともに現存するのは四国地方では宇和島だけ。

愛媛県宇和島市錦町 昭和16(1941)年


2022年2月6日日曜日

祓川橋


玉川町の鈍川温泉からさらに奥へ4km。マスの養魚場近くに古い橋があります。鈍川渓谷の川の美しさ、周囲の木立の美しさは素晴らしく、まさに「秘境」という表現がぴったりの場所。祓川橋は、映画「ホーム・スイートホーム2 日傘の来た道」のパンフレットなどに使用されたほか、家族でフォークダンスをするラストシーンにも登場しました。現在は橋りょう長寿命化修繕工事中。

愛媛県今治市玉川町木地  昭和12(1937)年