令和7(2025)年は「昭和100年」にあたる。そこで今年、築100年を迎える名建築を紹介したい。改修整備が2021年に完了し一般公開された旧松井家住宅だ。施主の松井傳三郎、國五郎兄弟は明治から大正にかけてマニラで貿易会社や移民向けの百貨店を経営し、大きな財を成した。故郷の大洲市に別荘を建てようと試みるが、傳三郎が志半ばで他界。その遺志を継いで國五郎が完成させた。住宅は肱川随一の景勝地と称された臥龍や冨士山、亀山など自然豊かな景観を見渡す高台に立地する。当時の日本家屋には珍しいバルコニーや、施主のイニシャル「K.M」が刻まれた鬼瓦、建材には東南アジアから輸入された南洋材、高い天井の和室など随所に西洋建築のテイストが取り入れられている。裏山の岩盤からしみ出す水を利用していたことから「盤泉荘」とも呼ばれた。
愛媛県大洲市柚木 大正15(1926)年






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