2024年2月10日土曜日

芸予要塞・小島砲台跡



小島は波止浜港から定期船で10分のところにある文字通り小さな島だ。日露戦争当時、この島にロシア艦隊の来襲に備えて北部・中部・南部砲台のほか、司令塔、弾薬庫、火力発電所、地下兵舎などが設置され、砲台には榴弾砲、加農砲、速射砲などが設置された。しかし豊予要塞の完成などにより使用されることなく1924年に要塞が廃止、その後、砲台は軍用機の爆撃演習の目標とされ、のち地元に払い下げられた。なお日露戦争時には小島から28cm榴弾砲6門が旅順などに送られ、2門が旅順要塞攻撃に用いられたとされる。1970年以降、地元住民らの尽力により砲台跡地への道路整備や管理が行われ砲台跡には徒歩で行くことができる。2001年にはわが国に現存する最大級かつ保存状態のよい明治期の石造砲台として、土木学会の選奨土木遺産に認定された。小島の船着き場には、NHKドラマ「坂の上の雲」で使用された28cm榴弾砲の原寸大レプリカが展示されている。また春には遊歩道(かつての軍道)に植えられた椿のトンネルをくぐって、自然と歴史の散策が楽しめる。

愛媛県今治市小島 明治33(1900)年

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